遺言書は、あるケースでは絶対に作成した方が良いですが、一方、遺言書に頼った為に揉めてしまうケースもありますので、その点を留意すべきです。
例1【相続人同士の関係が良好とはいえないケース】
①相続人の中に行方不明者がいる
②相続人に異母兄弟などがいる
③子供がいない夫婦で配偶者と兄弟が相続人
④子供同士(相続人)仲が悪い
上記のケースでは遺言者はあった方が絶対良いです
例2【相続人同士の関係が良好なケース】
①遺言書が無くても、円満に遺産分割が出来る
②分割上、バランスの良い遺言書がある
③分割上、バランスの悪い遺言書がある
④分割上、バランスの悪いメモ(要件を満たしていない遺言書)がある
上記①~④の中で③④が問題となります。
よく遺言書があれば揉めないと言われていますが、本当にそうでしょうか?
例えば遺言書があり、分割のバランスがあまりに悪かったらどうでしょう?
法律的には分割が出来ますが、相続人同士は円満と言えるでしょうか。
もし、遺言書がなければ円満に分割が出来る信頼関係がある子供同士だったとしたら、遺言書はない方が円満と言えるかもしれません。
上記④はさらに良くない結果になります。法的にも分けられず、メモの内容があまりにバランスが悪ければ、一方はメモの内容を主張するでしょうし、一方はメモは効力がないので法定相続分を主張するでしょう。
しかも、バランスの悪いメモを書いた親に矛先が向かうのですが、すでに親は亡くなっている為、矛先が向かう先は他の兄弟になるでしょう。