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相続の分割対策

円満な相続

東京、杉並で『地主・家主の賃貸オーナー様向け情報サイト』を運営している、『相続・不動産問題の相談室』です。

今日のテーマ

「相続の分割対策」

目次

実は難しいテーマなのです。

なぜなら相続で親の財産を子供達が分ける事に「これが正解」というものがないからです。

所有者(親)としては相続人(子供達)が揉めないように対策しておきたいですね。

不動産目録の作成

まずはご自身(子供側からみたら親の)財産の目録を作成する事から始めます。

その際に、遺言書などを作成する目的で作成した財産目録とは作成目的が違いますのでご注意下さい。

作成する目的は不動産価値を把握する事です。

方法は2通りあります。

A 自身で概算の価格を算出する

B 不動産鑑定士に依頼して不動産の価格を算出してもらう。

Bはすべての不動産を不動産鑑定士に依頼し、鑑定評価額を算出してもらえれば不動産の価値が分かりますが、相当の費用がかかる事と、費用をかけて算出した鑑定額は絶対というものではないのです。そうなるとそんな多額な費用をかけられませんね。ですので、Bについてはここでは割愛し、Aのご自身で行う場合を説明していきます。

作成する際は下記の項目で作成するとイメージしやすいです。

1.土地の評価

2.建物の評価

3.借入金がある場合は残債の額

 

ポイント

土地価格

・所在や面積などは「固定資産税納税通知書」に同封されている課税明細書で確認

・土地の筆ごとではなく、物件ごとに評価する(例 自宅、アパート、駐車場など)

・価格は課税明細書に記載されている価格の1.43倍にする。(公示価格相当)

・相続税の計算で使用する「貸家建付地評価」は使用しない

・貸宅地(借地で貸している)は借地権割合を考慮する

建物価格

・確定申告書の未償却残高を使用する。

借入金

・現在の残高を記載する

そして物件ごとに確認していきます。

作成後の不動産目録

このように全体のバランスを把握する事ができます。

ポイント

ここでは税額を算出するのではなく、できるだけ時価に近い数値を把握したいので、下記にご注意下さい。

・土地は貸家建付地の評価を使用しない

・建物は固定資産税評価額を使用しない

・貸家の評価を使用しない

本来の不動産価格については、立地、形状、使われ方、権利関係、収益性など、様々な要素が絡んできますが、今は費用をかけずに概算で算出する方法をご説明しています。

以前のブログでもお伝えしましたが、現金は1円単位で分けられますが、不動産が難しい部分は「不動産の価値」と「分割が出来ない」この2点です。

不動案の価値は、概算であれば、このような方法で把握が出来ます。

もう1つの「分割が出来ない」という点については、この不動産目録を作成する事で、不動産価格と遺産分割のバランスを把握する事ができ、バランスを調整する為、どのくらい現金を用意すれば良いかの確認ができます。

あとは、ご本人が自身の考えた分割案を相続人(子供達)に伝える事です。

分割案を生前に子供達に伝える事

伝えないと、せっかくバランスを考えた分割案の意味が分かってもらえません。

よく遺言書に記載すれば良いという意見もありますが、落とし穴があるのです。

何のためにこの分割対策を検討していたかを思い出して下さい

「相続人(子供達)が揉めないように」でした

例えば、所有者が作成した遺言書があれば、遺産は分割されます。でも、相続人は揉めるかもしれません。という事です。

「遺産の分割が出来る事」と「揉めない事」はイコールではないという事です。

「遺産の分割が出来る事」と「揉めない事」はイコールではない。

分割が出来る事も大事ですが。相続人が納得する事の方が大事だと思いませんか。

相続人が納得するには、生前に所有者(親)から「想いを伝える事です。」

もしかしたら、所有者(親)が考えた分割案よりも、もっと良い案が相続人(子供)側から提案があるかもしれません。

そして、その案を聞いた所有者(親)も、その案の方が良いと思って修正する可能性もあります。

このように生前に遺産分割案を決めておけば、将来遺産分割で揉める事は少ないはずです。

そして、遺言書があればそのとおりに分割が可能になり、本当の意味で「揉めない遺産分割」が可能になります。

このように将来の紛争を防ぐには、まず不動産目録が必要という事がお分かりいただけましたでしょうか。

本来は不動産の種類、個別性、相続人の事情など検討すべき論点が多いのですが、ブログという限られた文字数の為、一部省略している事をご容赦下さい。

バランス調整の為の現金の用意の仕方については、別のブログでお伝えしたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今後も不動産FPとして、地主・家主の賃貸オーナー様向けに、『相続・不動産のお役立ち情報』を発信していまいります。

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