東京、杉並で『地主・家主の賃貸オーナー様向け情報サイト』を運営している、『相続・不動産問題の相談室』です。
今日のテーマ
「不動産は難しい」
目次
複数の不動産を所有しているお客様のコンサル相談で、次世代へ引き継ぐ不動産の優先順位をつけることがあります。
例えば、AとBとCの不動産を所有している場合に、どれか1つは税金の支払いで手放すケースがあったとします。
その時に「高く売れる不動産を手放そう」と考てはいけません。
高く売れるという事は優良不動産のはずだからです。優良不動産なら(活用するなど)所有し続けて利益を上げた方が良いからです。
最も優先度の低い不動産を納税に充てる事で、結果的に優良な財産を子孫に残せるという事が言えるのです。(過去のブログ参照)
では不動産の優先順位をつける際に、どのように判断すべきでしょうか?
よくあるのは、立地が良いとか、敷地形状が良いなどが上げられます。
例えば下記のような場合はいかがでしょうか?
【対象地に関連する道路】
A土地は間口が広く、一般的に「良い土地」だと言われます。一方、B土地は奥に細長い形状です。どちらも近くに立地しています。
通常に考えたらAの方がBよりも優先順位が高いと言えます。ただし、不動産の難しい点は「この土地だけ」を見ていては不十分なのです。
Bの土地の目の前の道路は公道ですが、Aの土地は私道です。
私道は私道所有者の所有物です。なかには通行は良いが、(新築工事をする際に必要な)掘削工事は認めない、車両は入れない等、道路上にポールを建てたりする方もいます。
このような土地Aは本当に優先順位が高いでしょうか?
続いて、このようなケースです
【契約者の属性】
土地を第三者へ貸して、毎月の賃料を得る形態です。
同じような大きさ、形状で、賃料も同じです。資産価値はほぼ同じと思えます。
でも、もし契約者がクレーマーだったらどうでしょう?
貸地は「借地権」が発生しますので、契約期間が長いのです。建物が存続していれば更新が繰り返され、長期にわたり契約が存続します。
賃料改定の協議、契約更新の協議など、長期間契約者と関わっていかなくてはいけません。
続いてこんなケースです。
【隣接地の施設(属性)】
A土地は北側の道路に接しています。一方B土地は南側の道路に接しています。
人気があるのは南道路と呼ばれるB土地の方です。なぜなら道路の幅員分だけ隣地と離れていますので、南側からの日当たりが確保されるからです。
でも、もし隣接地に怖い施設があったらいかがでしょう。
仮にB土地を売却しようとしても通常の相場では売却が難しいかもしれませんね。
隣地の関係ですと「境界線」の協議が必要となったり、そもそも危険な事が起きないかと心配になりますね。
という風に、不動産は一見優良に見えても、調査すると不良要因というものがある得るのです。
このように見ると不動産は怖いと思われるかもしれませんが、実は改善する可能性もあり得えるのです。
【改善の可能性】
私道所有者、契約者、隣地所有者は個人の属性の問題なので、売却や相続で所有者が変わる事があるという事です。
【変わる可能性が低いもの】
・日照
・傾斜地
・地盤が低い(標高)
・近隣の自然災害の可能性(河川、海、火山など)
・近隣に嫌悪施設がある(墓地、火葬場、下水処理場など)
・隣接地の下水管が自分の土地の中を通過(越境)
・隣地がセットバックしていない為、(道路が狭く)車両が入ってこれない
・道路と自分の土地の間に第三者所有地がある(接道していない)
・事故物件など
これが、銘柄が同じなら「個別性がない金融商品」との違いであり、「不動産は難しい」と言われている1つです。
【結論】
売却査定ではなく、「所有目的の不動産評価」に慣れた「不動産の専門家」へ依頼することです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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